みずほ週休4日、銀行はどこに行くのか

銀行のリストラが止まらない。10月6日にみずほ F Gが12月から週休3,4日制を導入することを発表した。また、2023年度末までに国内店舗に約1万人いる事務員の3割程度を、資産運用の相談などを行う営業職へ配置転換する。今銀行に何が起きていて、どこに向かうのだろうか。今後銀行とはどうのように付き合っていけば良いのだろうか。

銀行に関する最近のニュース

メガバンク3行のリストラ

紙の通帳、休眠口座の有料化

「紙の通帳有料化」、 みずほ銀行は、新しく開く口座の通帳を発行する際に1冊1100円の手数料を課すことを決めた。 三菱UFJ銀行も、長期間取引のない口座から年1200円の手数料(口座維持管理手数料)を課すことを検討している。

振り込み、ATM引き出しの手数料の値上げ

ATMで現金またはキャッシュカードを使って振り込みを行う際の手数料を各行値上げしている。みずほ銀行は同一店へ振り込む場合でさえ220円かかる。(アプリ等を利用する場合は無料のケースがある)

ATMからお金を引き出すのに、手数料が取られない時間帯は平日の午前8時45分から18時までに限られる。これでは内勤のサラリーマンは引き出すことができない。少額でも利用回数によっては年間の手数料支払額が万単位に及ぶこともあり得る。

銀行の収益構造

銀行の収益構造は主に3つある

1 貸出金利による収益

銀行は個人から預かった預金の利息に上乗せした利息で主に企業を相手にお金を貸し出しており、その利息差が銀行の収益となる。ところが日銀が2016年1月に導入したマイナス金利政策のために、利息差が少なく抑えられ、またデフレ下における企業の資金需要の低下もあり、この収益がどんどん低下している。

2 手数料収入

手数料収入が発生する主な業務は、投資信託や保険商品の販売、公共料金の引き落とし、ATMの利用、送金などである。ネット金融業の参入で手数料収入を大きく上げることはできなくなってきている。

3 外国為替による収益

外国為替取引とは、円と外国通貨をトレードすることである。円や外国通貨は変動相場のもとで常に通貨価値が変化しており、銀行は変化を見定めたうえでトレードを行うことで利ざやを得ている。損失を被ることもあるので、安定的な部門収入とは言えない。

銀行はどーなる・どーする

従来の貸出金利による収益が少なくなっていく中で、銀行が生き残っていくためにはどうしていけば良いのだろうか。

1 固定費の削減

店舗、ATM、定型業務の人員などの固定費の削減はやむを得ないであろう。企業への融資の審査ですらAIに置き換わることも考えられ、人員は富裕層の資産のコンサルティングなどを主に行う業務にシフトしていくものと思われる。

2 新たな収益源の確保

銀行法の改正が必要になるが、上記の3つの収益構造に加え新たな収益源として、人員の派遣や不動産の賃貸などの事業分野への進出が考えられる。(筆者は再開発区域内に銀行店舗があり、権利変換で余った床の利用に困った経験がある)

3 フィンテック機能の拡充

フィンテック(ファイナンスとテクノロジー)企業が融資・決済等の業務に相次いで参入することが考えられる。それらの企業と共存共栄を図っていくのか、それとも銀行内部にそのような機能を取り込んでいく必要があるものと思われる。

まとめ

・銀行は従来のビジネスモデルが崩壊し、デジタルシフトの中で新たなビジネスモデルを早急に構築しなければならない

・銀行員はコンサルティング能力やITリテラシーを高める必要がある。

・銀行を利用する個人は、各銀行のサービスを比較し賢く付き合う必要がある。