スタグフレーションで生活苦しくないですか

この4月より様々な物の値段が上がっている。一方で、1997年をピークに実質賃金は一向に上がらないため生活はますます厳しくなっている。スタグフレーションは「スタグネーション(景気停滞)」と「インフレーション(物価上昇)」と言う単語を組み合わせた言葉である。このスタグフレーションを脱却するにはどのような方法があるのだろうか。

4月から変わったこと

この4月より食料品、日用品、電気、ガス、交通費など様々な物の値段が上がった。値段は変わらないが内容量が減ったというものもある。一方実質賃金に連動して年金額は0.4%減額された。

インフレの種類

インフレの種類には二つある。「コストプッシュインフレ」と「デマンドプルインフレ」である。前者が悪いインフレ、後者が良いインフレとされ、現在起きているのは悪いインフレである。

日米の金利差等で急激な円安が進み、その上ロシアの軍事侵攻により資源の供給が細り、輸入原材料品の価格が高騰したことが主な原因である。原材料価格が高騰することにより、企業が利益確保のため値段を上げざるをえなくなるのがコストプッシュインフレである。

一方、デマンドプルインフレは、その名の通り需要が旺盛となり供給が間に合わずに値段が上がるインフレである。需要に対し供給量が少なすぎると物の値段が急激に上がるが、デマインドプルインフレは供給量を増やすことで価格高騰を抑えることができる。消費が増え、企業の利益も上がり、労働者の賃金も上がる好循環が生まれる。

スタグフレーション下では、個人は将来不安で消費を控えることとなり、企業の利益は減り労働者の賃金も下がる下図のような悪循環が起きる。

スタグフレーション脱却に必要なこと

この悪循環を断つには国はどのような施策を打てばよいか。

・消費を増やす→消費税の減税、給付金の支給

・企業利益を増やす→不必要な規制緩和で事業展開をしやすくする、補助金を出して次世代産業を育てる

・実質賃金を増やす→社会保険料を減らす、最低賃金を上げる、非正規社員を正規社員にする

全て行うくらいのことをしないと景気回復は難しいが、着手しやすいのは、給付金の支給、補助金、最低賃金の引き上げ、といったところである。スタグフレーションの悪循環を早く止めないと日本経済は回復不能な状況に陥ってしまう。一刻も早い政府の脱スタグフレーション対策を期待したい。